ぽろたん

特徴

農林水産省果樹試験場で，1991年に行なった550-40［290-5（森早生×改良豊多摩×国見］と丹沢の交雑から得た実生群から選抜された。2007年に種苗法に基づいて品種登録された。 樹姿はやや直立性で，樹勢はやや強い。若木の樹冠の拡大は早いほうである。

９月、茨城からいただきものの「ぽろたん」が到着。横径は5cmと大実。早速、調理法をネットで検索。果実に包丁で、切り込みを入れ、オーブン650wで待つこと15分。

御見事!!噂通りに、簡単に皮が剥け、栗の実がポロっと。

【大量ぽろたん剥皮方法】

クリのとがった部分から縦方向に皮の外周3/4程度、深さ3.5mmの切れ目を入れる。その実を95度以上の熱湯で３分間加熱する。この方法だと１０kgを８０分で剥く事ができる。栗加工業者にとって「ぽろたん」は魅力的な選択肢になっている。

　「ぽろたん」の受粉樹としては、収穫時期が異なる点では、「美玖里」の他、「石鎚」、｢岸根」が適する。「利平」は果皮色が濃いので容易に判別で

　「ぽろたん」の特徴は、簡単に渋皮が剥けるところ。よって、果実販売する場合、外観では区別がつかないので、他品種を混入させることは、信用の失墜につながる。つまり、混植樹の決定は大きな問題。
「利平」は、収穫時期が少し重なるが果皮色が濃いのですぐに見分けがつく。「美玖里」との受粉で最大果実が望めること。収量を上げるなら「利平ぐり」が最適。

「ぽろたん」の実は、出荷時期が９月に集中する。少しでも長く貯蔵することができれば、加工産業や家庭においてもっと利用しやすい食材となる。そこで、一般的な貯蔵設備において渋皮の剥きやすさの違いを調べた。
収穫した「ぽろたん」は、糖度3～4％しかなく、甘くない。この実を低温で貯蔵すると、約１ヵ月で糖度が2倍程度まで上がり、とても甘くなる。そこで、新鮮なうちに、家庭の冷蔵庫のチルド室（0℃付近）に１ヵ月程度入れておく。ふつうの冷蔵庫（5℃付近）でも糖度は高くなるが、カビが発生する可能性がある。貯蔵の際は乾燥しないように薄手のビニール袋に入れて、袋の口は折っただけで縛らずに入れておく。
貯蔵した「ぽろたん」の実で甘露煮を作った場合、貯蔵温度がマイナス1℃の場合は６か月まで、プラス2℃の場合は4ヵ月間まで、味は変わらない。また、貯蔵期間が長いほど渋皮が剥きやすくなる。

2006年10月4日に登録になった「ぽろたん」、剥渋皮性抜群とのうたい文句と共に植栽を拡大してきた。しかし、現実収穫可能になり、果実を食味できるようになったら、その糖度の低さにがっかりした。しかし、苗木の販売は順調で、発表から3年、苗木も潤沢に生産できるようになった2009年よりこれまで販売数１位の座を明け渡していない。
昨年このカタログで紹介したように、この販売数をキープできているのは収穫後の冷蔵処理に起因していると思われた。冷蔵することにより出荷時期を遅らせることができ、それが下記したよう単価面でも有利に働く上、糖度が2倍になり、食味も良くなる。

「ぽろたん」の貯蔵に伴う品質変化とその対策（茨城県農業総合センター）

１、「ぽろたん」は貯蔵期間が長くなるほど剥皮性が向上し、数秒程度で剥ける果実の割合が多くなる。
２、まれに剥皮性が劣ることがあるが、剥皮性は貯蔵により向上し、また貯蔵温度が高いほど向上する。
３、貯蔵期間が長くなると、剥皮果肉の表面に変色や萎びた果実や、腐敗等の障害果が増加する傾 向が見られ、その傾向は貯蔵温度－１℃より＋２℃ で顕著であり、－１～０℃が良いとされる。
４、貯蔵までの3～7日間、果実を常温で保管すると、 貯蔵後に障害果が多くなる。直ちに０℃貯蔵できな い場合でも、10℃程度の予冷を行うことにより貯蔵 後の障害果率の増加を抑えることができる。
中国栗なみに良く剥ける上、日本栗最大級クラスの３０g。渋皮の剥きやすさを特徴としたブランド品種にするため近時期収穫品種との混植は避ける。２～３週間以上冷蔵保存すると糖度が上がり、食味良好。