ほしあかり

特徴

農研機構果樹研究所において，1997年に314-32（巾着×豊水）に‘あきあかり’を交雑して得られた実生から選抜された。2007年から2013年まで系統適応性検定試験において検討した結果，黒斑病と黒星病に複合抵抗性を有し，食味良好であることがあきらかとなり，2014年に品種登録出願され，2015年に第24373号として登録された。

成熟期は8月下旬で「幸水」と「豊水」の間に収穫される。果形はやや楕円形で，明瞭な条溝が見られる。果実の大きさは400g程度で「幸水」と同程度である。果肉は軟らかく，糖度は14％以上で，酸味は少ない。軽度の心腐れの発生が認められるが，みつ症の発生は少ない。

樹勢は弱く，枝の発生量は少ない。短果枝，腋花芽の着生はいずれも良好で，花芽の確保は容易。開花期は「幸水」「豊水」より2～3日早い。S遺伝子型はS5Skであり，主要な栽培品種とは交雑和合性である。黒斑病および黒星病に複合抵抗性を示す。えそ斑点病に対しては病徴非発現性である。

赤星病に対しては罹病性であるため，防除が必要である。果実に発生する明瞭な条溝と果実の揃いが不良である点が外観上の，また樹勢が弱く樹冠拡大がおそいことが栽培上の問題。

ニホンナシの重要病害は黒斑病と黒星病であり、黒斑病に強い品種は多くあるものの、黒星病については全ての主要品種が罹病性。この両方の病気に抵抗性がある「ほしあかり」が発表された。樹勢は弱く、枝の発生量はやや少ない。果実硬度は軟らかく、肉質良好。果実に明瞭な条溝が発生し、果実の形にばらつきがある。殺菌剤散布回数を削減した減農薬栽培が期待される。但し、赤星病には罹病性であるが、アンビル等の有効農薬があるので大きな問題はない。

成熟時期は「幸水」と「豊水」の間にあり、「幸水」と同程度の大きさ。果肉軟らかく、糖度は「幸水」、「豊水」と同程度と甘い。酸味は「幸水」なみで少なく、食味は良好。
全国の梨栽培地帯で栽培可能。今後減農薬栽培が期待出来る。

日本初の黒星病抵抗性品種で短果枝、えき花芽の着生多く、花芽の確保は容易。肉質は柔らかい品種に分類される。樹勢が弱いので樹冠確保が成功の秘訣。