涼香すずか　

特徴

福岡県作出のブドウ品種。近年「巨峰」黒色系ブドウの着色は夏季の高温で阻害されるので、地球温暖化の影響により、着色不良が大きな問題となっている。特に、今人気の「種無し巨峰」では、「種有り巨峰」と比較して、特に着色が劣る。今後も地球温暖化の進行が予測されることより、これに対応できる品種への更新は必至では。
そこで、育種されたがのこの「涼香」。北は北海道から南は鹿児島までの21か所で試験された。果皮色検査を行った17ヵ所の内、1ヵ所を除いて「巨峰」より着色よく良着色性品種と判断された。

近年「シャインマスカット」をはじめマスカット香をもつ品種が人気だが、ブドウの需要期であるお盆時期、8月上中旬におけるマスカット香をもつ品種が無い。
上記2つの問題を解決したのがこの品種である。果皮は紫黒色で着色が優れ、マスカット香がある。

「涼香」の試験栽培は、短梢剪定、一文字整枝、種無し栽培の条件で行われた。これにより、省労働力栽培が可能で、種無し果実の販売が可能。
「涼香」は、「博多ホワイト」x(「宝満」x「リザマート」)であり、「シャインマスカット」を代表とするマスカット香がある。ブドウの需要期(お盆)である8月上中旬にマスカット香を有する唯一の品種。

お盆需要に合わせて収穫する。これが経済的には、効率よい。ここ福岡県でも、お盆に合わせて、「巨峰」が収穫されるが、やはり8月後半の「巨峰」の味はでない。特に、「種無し巨峰」が主流になってからは、顕著である。
収穫始めが1週間早い「涼香」はかなり有利ではないであろうか。

　巨峰より早生で、現在人気のマスカット香のすること。黒色系ぶどうの着色が地球温暖化の影響により、不良である。この２点を目的に福岡県で育種された品種。酸味が弱いため、糖度以上に甘く感じる。（旧名：ﾌﾞﾗｯｸﾏｽｶｯﾄ）