ひめこなつ　　

特徴

農林水産省果樹試験場が1989年に早生の選抜個体「182- 3」の自然交雑種子を胚培養し，獲得した実生から選抜し、2009年3月に品種登録された。

樹勢は若木ではやや強く，樹はやや直立する。開花時期はやや早く，「ちよひめ」，「あかつき」などと同時期である。花芽の着生は多く， 花は花粉を有し，自家結実性である。生理的落 果の発生は少ないが，核割れ果の発生は多い。 満開から約60日前後で収穫が可能な極早生品種で，育成地で6月上旬，西南暖地では5月下旬に収穫できる。

果実重は120g程度で，早生品種 のなかでも顕著に小さく，5kg入りの通常の出荷段ボールには入らないことから，独自の出荷用包装が必要となる。果皮の着色は多く，縞状となり，裂果やひび割れなどの発生はなく，無袋栽培が可能である。果皮の地色は黄色で，果肉も黄色となる。 果肉は溶質で，粗密は中程度，日持ちは比較的良好である。果汁の糖度は11～12％と極早生種としては高く安定しており，酸味は少なく食味は良好である。収穫期が早いことが最大の特徴で，露地栽培で施設栽培と同時期にモモが食べられることか ら，西南暖地向け。

梅雨前の５月中旬から６月中旬に収穫できるので、薬剤散布回数も少なくて済み、病気も入りにくい。果実は120gと小さいが、糖度は１２度まであがる。
黄肉の新品種。成りつきが早く、植え付け２年目から収穫できることも。結果率が非常に高いので、摘果作業が重要。弊社のお客様の中にも、趣味で植えたのだが、２年目から収穫でき美味しかった。との感想をいただいた。

農研機構の発表当初は、糖度が上がらないとのことで、あまり苗木の動きもなかったが、最近の苗木の販売は順調である。
各地で試験栽培された結果、糖度は１４度まであがること。５月中旬から６月上旬までに収穫が始まり、梅雨にあわないので袋掛けの必要性がない。また、収穫時期が早いので、それだけ消毒回数も減らせるなど、省力栽培が可能なことが分かり、他品種からの転換園も多く見られる。