今村温州　いまむらうんしゅう

特徴

1945年に福岡県久留米市草野町吉木の今村芳太氏が自園の尾張系温州の変異樹として発見し，1968年6月に種苗法により登録されたものである。

樹勢はきわめて強く，温州ミカンのなかでは最強に属する。樹姿は若木時は直立生であるが結果期に達すると開張してくる。枝梢の発生は少なく，長大で節間が長い。枝の分岐角度が狭く裂けやすい。若木時は生長が特に旺盛で樹冠の拡大が早い。若木時から着花は見られるが，結実生が不良で初期収量が少ない。樹が密植になると枝が立ち，着花が減少する。第2次生理落果の後半に着果している枝から夏梢が発生しやすく，そのためほとんどの果実が落果してしまう。細く短い枝に着花結実しやすい。樹が落ち着いて春梢が細く短くなると連年結果し豊産性であるが，一度着果過多にすると，隔年結果しやすくなる。

果実の大きさは中位で玉揃いはきわめて良好である。果形は扁平で油胞が小さく果面は平滑である。果皮は薄く果実のしまりは良く浮皮になりにくい。熟期はおそく十万温州より晩生で，12月上中旬に完着する。果皮色は濃橙黄色で完熟すると美しいが，採収が早いとやや淡く黄色を帯びる。糖度およびクエン酸含量が高く，浮皮になりにくいため貯蔵性に富み長期貯蔵できる。肉質は軟らかいが，じょうのう膜は厚くて硬い。12月中旬頃収穫，貯蔵後2～3月頃には風味が良く，果汁が濃厚で食味はきわめて良好である。

果実品質は、糖度が高く甘みのなかにも酸味が効いていてバランスに優れた最高の品種。ただ、今村温州を栽培している農家が少なく、非常に希少価値の高い品種なので、中々手に入りません。ジュースは、なんとか手に入りましたので紹介します。非常に濃厚で、今村温州の特徴がでたおいしいジュースです。次は、生果実を食べてみたいものです。
多少苦労しても、おいしいミカン生産を目指している方、栽培管理には自信のあるミカン農家の皆様に、一度挑戦いただきたい。

糖酸のバランスがよく、最高の温州みかん。但し、樹勢が強く、結果させるにはかなりのテクニックが必要だ。盤の浅い園ではトライする価値あり。テクニックに自信無、園の盤が深い方は、飛龍台木今村でトライされては。