ル・レクチェ

特徴

1882年フランスで育成された品種で，バートレットにベルガモット・フォルチュネ（Bergamotte Fortunee）を交配したものである。品種名はフランスの果樹研究者ル・レクチエにちなんだものである。わが国へは明治36年ごろ導入され，現在は新潟県で産地化されている。

樹勢は旺盛で直立性を示し，樹の大きさは中庸である。結果期に入った側枝は開張してくる。新梢は太く，中・短果枝の着生は良好である。

果実は梗あ部が細い独特のびん形で，サビが少なく，無袋でも黄緑色の美しい外観になる。果皮は光沢があり薄く，表面はやや凸凹がある。果実の大きさは，350～400gで，立木仕立ての場合，やや玉揃いが劣ることがある。品質は糖度が高く，適度の酸味と芳香があり，肉質もきめ細かく食味は良好である。しかし，この品種は乾燥地ややせ地，冷涼地での栽培では果汁が少なかったり，年により渋みを強く感じたりすることがあり栽培適地を選ぶと考えられる。

山形県での収穫期は10月下旬で，満開後の日数では170～175日となる。自然追熟では追熟が不揃いだったり，果皮が萎凋する場合がある。このため追熟には5℃，10日間予冷後，15℃程度で追熟させると追熟の揃いがよく，約30日で可食期になる。果皮が薄くいたみやすいので，果実の取り扱いは慎重にする。

「ラ・フランス」よりやや豊産性であるが，摘果が遅れると果実肥大が劣るので，4～5頂芽に1果程度の着果とする。結果期に達するのがやや遅いので，強剪定を避け，花芽着生までは間引き剪定を主体とする。収穫前の風による落果があるので，防風対策が必要である。石ナシや尻腐れなどの生理障害の発生が「バートレット」並に多い。

新潟市の「㈱白根大郷梨中村観光果樹園」さん。
千疋屋ご用達の看板が目を引きます。写真は台風や、雹の被害を最小限にするための多目的防災網。品質と、安定供給のための努力が伺えます。色んな品種を栽培されていますが、自信作はル・レクチェ。土には、非常にこだわりが。

　自然追熟で３０日、貯蔵性に優れ、追熟後１ヶ月は日持ちする。数ある洋梨の中でも栽培が難しく高度な技術が必要。